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日本の、明日という夢 [夢]

日本が素晴らしいと思う、ひとつのことは清掃だろう。 

自分の家の周囲はまず雑草など除いている。それ

だけではなく、なにか花や植木を育てていることだ。 

香港の島はリゾート地になっているが、想像とは

異なり、汚い。歩く小道でも水道工事だろうか、して

いるのだが、中途にしているのか、道具も置きっぱなし

だったりで、見て気持ちがいいということが、少しも

意識されていない。すると、その汚さが強く感じ

られるのだが、それこそが僕が日本の環境に

育ってきたことを証明するようなもので、日本は

ともかく、世界から比べて、かなり清潔なのだ。

そういう気配りが常態になっている。 

そうして、花を植えている家は普通なので、それが

普通じゃないのだが、その種が飛ぶ。そして、ブロック

塀の下や、わずかな土のある処に種が飛ぶのだろう、

そこから花が咲くのだ。それで我が家の周囲でも勝手に

いろいろな花が雑草のように咲いている、という状況が

ある。これは思ったよりも素晴らしい状況で、季節の花が

今なら菖蒲とか大きな花びらが着物を想わせて、咲いて

いる。少し、近づいて見るだけで、どれだけ美しいことか。 

僕らはそれを気にしないで見過ごしているのだろうか。 

そういう人は、ずいぶん勿体ないことをしている。 

花は生きているから、その輝きは深い。よく見ていると、

美しさがその色の中に吸い込まれるようだ。絵の具の

何色でも、一色というのがなんと貧しいことか、と気づく。 

単色に見えてしまうものが、深いのは光の反射が

あまりに細かく、乱反射するので、色も表に出たり、

内に入ったりして定まらず、それが深さを添えている

のだ。 

日本ほど、近所の散歩をして季節を楽しめる国は 

そうそうないのではないか、と思う。それは僕が

そういう海外の地を旅行していないせいでもある

だろうけれど、そういう面では日本は第一等国だろう。  

どうして僕らはそれほどに自然を慈しむのだろうか。 

ブログを回っても、マニアとか商売をしていなければ、

圧倒的にどこでも犬や猫、鳥でなければ花やどこかの

施設の庭や造園、風景の映像が貼られている。

それに飽きるということはないようだ。それは不思議な

ことなのだけれど、それをそう思えないほどに生活の

中に溶け込んでいる。



ずっと  ここにいたのに  

街は  見違える ようだ  

・・・・・・・・・・・・・・・、  

・・・・・・・・・・・・・・、  

多い、 あまりに多くの  妄想じみた  

点景   情景が   流れゆく  

心  やさしく  

気持ちよく  揺られ  

君に  抱かれる、 ・・・  

「 もう 泣かない  

もう  逃げない  

懐かしい 夢だって   

終わりじゃ  ないのよ  」*  

明日まで  続く道が あるから  

明日が  あるのだろうか  

そのために  この夜が  あるのなら  

この夜を  

僕は  抱きしめるだろう  


ずっと ここにいるのに  

それを 抱きしめる人と、  それを 甘すぎると感じる 

人が    いるのだろう。 

あれはタイだったろうか、観光の旅行者だとみて、

車椅子の老女にも見えたが、まだ中年だろう、

売り子だった。障害者の売り子は珍しかったが、 

長いことやっているらしく、僕は安い地図しか買わ

なかったが、ほとんど事務的にお礼を言って、次の

客を求めて行ってしまう。もう10年以上もこの仕事

で食べているんだろう、話しかける暇もなかった。 

彼女にはどれだけ売るかはノルマがあって、命がけに

近いものがあるのだろう。観光客の暇な話につきあう

余裕はないのだった。それは夢を破られる感じがした。

人は皆、平等じゃない、と。愛で飯は食えない、と。 

日本人はどういう夢を見ているのだろう? 明日という、 

いい人という、お上(政府)を信じるという、それはいろいろ

で、それを受け止める人も受け止めたくない人も、そういう

ことに関心のない人も いろいろだろう。

僕の夢は、まだまだ続くようだ。それはそれが儚い約束だ

とは思っていないからだ。

「 懐かしい 夢だって   

終わりじゃ  ないのよ  」

明日を信じるというのは、欺瞞のひとつだと決めつけた

知の優位な時期もあったが、人は変わるものだ。  

僕は、明日を信じようとしている。



* :
「 」内は、平原綾香の「明日」の歌詞から。
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