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第3章 [章]

第 3 章 



どことなく 豊かに流れる 詩情が 



あるのなら  



人の孤独は  癒されるのだろうか 



そういう時に  僕らは  音楽を聴く 



とても 大衆の  映画音楽だろう 



その国の  街や 市場の 音楽が 



ギターの旋律に  乗って  やってくる 



さよなら とか  アモーレ とか 



聞き古した 音が  懐かしい  



そのままの  位置づけで  



赤い バッグを  湖に 



放り 投げる 



全部  映画の中での ことだよ、と 



沈黙が  誘う  



ボサノヴァ   珈琲を 一杯 



これ以上は  ベタ過ぎて  やっていられない 



詩情なんか  クソ 食らえ、だ 



涙の ハンカチーフで 鼻水でも



拭けばいい  と 



我慢ならない  音楽なのだ  



が、



それなりに 気持ちのいい  音楽なのだ 



では 何?



聞いてもいいが  尋ねないでくれ  



答える気もなく  



気もなく  



最終トレインの 線路に  響いている



小学生の  答案なのだ



普通にって のは なんのことだ?  



おとなしく 坐っていることか?



じゃないだろ!? 



どうして ここまで  ふつうであることが



我慢ならないほどに  アレルギーなのか



そう  見たことがある  



電車内で  チック症候群を



体の一部を  変に動かしていないと



いられなくて  ヒクヒクさせる  



変な動作なのだが  本人は



それが自然な  動き  



でも  我慢しようとしているのも 



わかる   病気だというが  



坐ると  両脇にいる人に 



気を使って  おとなしい  



僕は  見てて  そのほうが



気の毒だ 



でも 隣に座られたら  彼を



その気になる 動きを  許すだろうか



僕は  病気ではないが



こんな音楽には  チック症状を



起こしそうだ 



いつもはそうではない  ボサノヴァの



音楽  南の 香り   海のさざ波 



なんて 気持ちいいではないか  



いや そんなことはない  



そうじゃないって  僕と僕が 



戦ってる  こんな喧嘩も あまりない 



なにが  どうしたのか   



僕は  平凡じゃないと  証明したいのか 



そう言えば  そうじゃない、と  言うくせに



天の邪鬼 という  すねかじり  



縁(よすが)が  ないのだ  



ああ この曲は ロマンスというの 



だったか  このベタな 悲しみ



僕は 無関心に  なる



手と 手を  携えて  というのは



僕は  拒否して いる 



それは 面倒な 心理  



賞賛されたくない  でも  感心されたい 



感謝されると  いけないことをした気に  



させられる  



そういう皮肉な 回路を  誰が  



作ったのか   



僕は  回避できない  



この 扱いにくさは  僕だから  



自分だから よく 知っている  



どこかで  妥協するまでの  やんちゃだと 



いうことも  



しかし  人の 七癖が  その通りだと



言うのなら  性もないのは 



僕だけでは  ないだろう  



あなたは  僕じゃないの? 



と言っても  驚かないだろう 



おびえたりしないだろう 





レストランで おとなしく 料理が 



運ばれてくるのが  待てないのは  



すでに  PTSD  だろう 



そうだ  心的外傷後ストレス障害!  



いい ネーミングだ 



名前がつくと 急に安心したり



納得した気持ちになるのは  どんな  



心の技 なのか 



19の体験は  トラウマだったとしたら  



僕の 自閉症も  PTSD なのだ 



なんで  そんな障害が 全部  軽度で



すんでしまって  克服してしまうのか



それは 中途半端なのか  なにか  



それなりに  理由があるのか  



人は  道を尋ねる時に  人を



探すのだろうか   



どうして  誰でもいいのに  僕の処へ  



来てしまうのか  



江ノ電 乗るの初めて? ああ そうですか 



不精髭  冴えない中年男  人生降りたそうな 



貧しいエネルギー 



でも  なにか  感覚を持っているのか  



僕を  見つける  



江の島まで どのくらいですか?みたいに 



知的障害者みたいな  質問  



僕は その質問を  2時間  同じで



つき合わされたことがある  



4つの 同じ質問の  くり返し  



ほんとに  疲れた  



おじさん   僕は 誰ですか? 



そう 尋ねたい  





べサメ ムーチョ  なんのことだか 



孤独って こんな感じなのかな? 



違う? こんなに元気そうじゃ ない? 



孤独って  ほんと  わからない  



パセリ  セージ  ローズマリー 



それと タイム  全部  ハーブだね 



少し前に  ボサノヴァと 書いた



今、ハーブと 書いた  



どうして ボサノ「バ」と書かなかったのか



どうして ハー「ヴ」と 書かなかったのか



気になって 調べると 



Bosa Nova  で  ヴァ 



Herb で  ブ  



どうして  聞き分けられていたのかが



わからない  



考えてしまうと  まず間違えるので



こういう時には  正解が出る 



散らばっている  ホッチキスの 



なんと 言ったのか  



ホッチキスの  針とも  芯とも 



ステープル針とも 言う 



このなんでもない  フレーズ  



文章つなぎ  軽い べたつき  



日本の  旅情  



こういう 崩れ方も   ある  



ピアノに 崖は  見えないが  



歩いて 行く先は  見えない  



辿ってほしい  旋律が  ある  



聞いてほしい  弱音が  ある  



僕は  君に  



正常と  異常のあいだを



尋ねたりしない  



君の  心が  欲しい  



これが 



これこそが  



孤独ではないのか?





なるほどと 言っても  



あいまいな気持ちのほうが  勝(まさ)って



遠くへ  



連れて 行かれてしまう 



風が  飛び  



その気持ち よさ  



このまま  運べよ  



なにも かも 



君は  坐ったままで いい  



風が 飛び  



雲が  飛び  



遠くへ  



連れて  行かれて しまう  



その気持ちよさ  



終わる   終わる  



ふわ  ふわ  



このまま  飛び  



去っても  いいよ  



このまま  



そう言う  寂しさが  



盛り返され て しまう  



山 が  



流れ去る  谷 が  



冷たい 雫に  思えるのは  



君が  やさしく  しようと  



しているから?  



これが  運命なら  



激しく  感じれば  感じるほど  



それを  撥ねつけ ようと  





そして  また  



美しい  旋律  ベタクソな 愛  



勘弁してくれ  モリコーネ 



ネコ 森のほうが いい 



どうしようもないね 



まだ  続ける?  



美しい メロディ  



はっきりと  気持ちを 決めて 



くれるよね  



それが いいのかな? 



忘れていた  クレモンテ高校 



輝く  冬の 梢から差す  光



冷たい手を  握りしめた  



まっとうだ  



まっとうな  就職試験  



駅の階段を  駆け上がって  



君が  車窓に  見えるのではないかと 



パリ  



柔らかい 言葉が  ころがっている 



街角 



パリ  



低い「パ」と 尻上がりの「リ」 



パリ 



ヴィァ  ポープ  アリ 



・・・・・・・・・・・・・・・・



信じられなかった のは  僕の ほうさ 



そう言って  泣くのかと  思った  



泣かなかった  



眼の 光が  死んでいた  



だから  あの時、 と  



言わずにおいて  よかったのかと  



まだ  わからない  僕さ  





元気を  出して  



すべては  ここに ある  



すべては いい  



それを  想像は  できないから  



表も  裏も  二層も  三層も  



って 



それは  無理  



気にしないで  



すべては  ここに  ある  



そして  そう言いたい  気持ちは



たしかに   ある  



気持ちだけ  じゃなく  



まったく  頼りにならないもの  



寄るべ ないもの  



そういうものを  見つけて  



ここに  ある  



それは  



不安の  真ん中  



恐怖の  中心  



居たことの  ない場所に 



その場所に  



一度  入ってみれば  わかるのか 



わからなくなるから  わかるのか



また  



理解不能に  なってしまった  



それは  僕が  理解を  



示そうとするときに  



なるべくしてなる  トランス  



正常であるために  異常になるべくして  



なってしまう  場所  



これは  もしかして  



ランナーズ・ハイ 状態?



それほど  快活ではないが  



どこまでも  白い砂浜を  



歩いている  気分  



しあわせでないことも ないが  



その余韻 の 気分  



話しかけないで  ピースが欠ける 



そんな気分  



自分が 上質だと  思う音楽を 



聴く  気分  



まだ  続ける? 



もう そろそろ  



戻らないと  



誰も  待ってはいないが 



そこも  なにをしても  



なにを しなくても  



かまわない  



珈琲を入れたくなる  気分 



困るんだ  



もう  眼を  覚ましたくない 





カフェ イン  ゼリー になった気分  



あくびを  しているのは  誰? 



君か ?  



僕か ?  

  

怖いくらいに  気分 上々だけれど  



君は  どう? 



ああ もう  お休み よ  



不思議に  僕も  酔って  



寄っているよ  何に拠って



何に  憧れて? 



しびれる ・・



とろけて  しびれてしまうんじゃない? 



この気分は  



眼を  覚まして  



いくらなんでも  



3時間が  10分で  経ってしまう  



なんて  



速すぎる  



このまま  ここに  いるなんて  



眼を  覚まして  



いい子 だから 



さあ 



ジャンケン でもする? 



勝ったら  Good!



負けたら  チキン! 



・・・・・・・・・・・・・・・・



(君の 番) 



・・・・・・・・・・・・・・・



そう、  



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



寝る? か 



・・・・・・・・・・・



さらっとした ボサノヴァ 



乾燥  葉巻  



いい風が  は い る  



ネコも  しなやかに  



伸びを  する  



そう 



すべては  



ハッピー

 

それで  いいよ  



なにも  言わない  



君が  決める  決めてもらう  



どうでも    いい  



ああ  寝て! 



僕を  起こさないで  



快い  リズムに  



ゆられて   いるから  



起こさないで  



まだ  続ける? 



・・・・・・・・・・・



そうっ 



ん。  




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