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文学的と呼ばれるもの [文学的]

文学の匂いというものを時に

感じることがある。大正時代の

夜の街灯のような雰囲気とその

懐かしい古さを文学的と呼んで

いいものなら、そう呼びたい。

これは細い一本の筋だとわかる。

まだ理想とか、夢とかの墓場の

跡だとしても、それがひとりの

あこがれの時代を背負うように、

任侠映画を観るような興奮が

密かに眠っている。

だから、それらは間違いなく過去

を扱った世界なのだ。僕らの理想

とかあこがれというものには、その

タイプ・型があってそれに当て

嵌まった感覚を求めているもの

なのだ。知っているものとはすべて

過去であり、そうでなければ安心

できない。それで簡単に自分以上

とか優れたものを求めて、誰かの

理想を自分のとして、それが繋がっ

て善とか正しさの思想を形成する。

そこで僕らは前を進もうとする時に

奇妙なことをする。

その過去の跡に頼りながら、未知の

事柄に挑もうとするのだ。そうして

結果は過去が役には立たないにしても

その前向きの感情的な役割は果たして、

未来のそこに、その過去が崩れる処に

新しいルールを見つけ出してゆくので

実際の後ろ支えとなるのである。

感情は前向きな思想にはならないが、

行動にはその支えにどうしても気持ち

を必要とする、となる。

その意味で僕らは文学、あるいは文学

的雰囲気を必要とするのではないか。

水墨用6-2.jpg

何気ない写真を撮ったつもりでも、

モノクロ風にすると、すぐ時代がかって

しまう。今の光景だが、30年後に感じる

すでに過去の光景でもある。
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