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千葉の最南端 [旅]

ドライブ旅行をした。というと、そういうプランがあって友人が集まった(3人だが)と

思うだろう。違うのだ。千葉の友人の家へ行き、どこかで昼飯でも、というだけの

ことが、外房へ行き、海が見たい、と言った一人の気まぐれで外房まで行くことになった。

友人の家は房総半島の中部で、それも北のほうで千葉市もまあ近い。

第一、友人の家に着くのが昼の予定だったが、遅れて1時になった。まあ千葉は広くない

ので、地元の友人に運転をまかせて、外房まで出かけることになった。

面白かった。勝浦に出てみたが、2時も過ぎていたか、どこもやっていない。海鮮

料理とか希望していたが、町を歩いても、夕方から営業で、港の猟師の食堂もやって

いない。それで上総興津の駅前にもどってみると、昔3人でよく来ていたという食堂

がやっていた。なんせ50年以上前の話だ。知っている人や関係者がいるはずもない。

懐かしのかつ丼を食べたが、なるほど味は変わっていないようだ。作っているおばさん

も当時は看板娘だったろう、と友人が茶化していた。それに終わらず、覚えているか

どうか年寄り同士話していた。彼はいつも話の先導役で、この旅行中ずーっと話して

いた。

千葉の最南端の岬に近づくと、そこへ以前行ったことがあると言っていた。野崎灯台

があり、この日風が強くて、最南端は風をさえぎるものがないので、きつく強かった。

入り口に近く、海からの風で体が飛ばされそうで、行くのが危ぶまれた。僕は

風が強くて、嵐が好きな少年だったので、風に呼ばれている気がして、ぐんぐん

歩いて行った。後ろから二人がやめよう、もどってこい、など言っているようだった。

「そこまで」と聞こえないだろうが、言って、そのままどんどん進んだ。

風速20m以上あるだろう、眼鏡が飛ばされそうで、眼鏡を手に持って歩いて行った。

この風でも家族連れが一組いた。

眺めのいい岩場まで来ると、荒れ狂う海は絶景だった。波頭が岩に当ると高い波しぶき

が上がり、離れたここまで水滴が飛んできた。二人も遅れてやってきた。

こういう自然を相手にすると、勝手に興奮してしまう。その力をダイナミックに

感じるからだろう。

この自然に立ち向かう性質は、若い時はやり過ぎることが多く、同じ3人で蔵王に

スキーに行った時も、僕が直滑降をして、無理して右足を膝から捻ってしまった。

骨折医のところへ行き、翌日からは一歩も歩けなかった。2人でスキーをと僕は

言ったが、友人は諦め、その日から2日間スキー旅行は旅館で麻雀旅行に変わって

しまった。

千葉の友人の家からアクアラインを通って帰ってくるのだが、友人の家まで送らずに

小田急線の駅まででいい、と言う。行きもそうだったが、帰りもカーナビは安物で

ルートの再計算に時間がかかる。ひどい時は1分もかかったりする。もう道順よりは

通り過ぎていたり、とあてにならない。それで彼は僕がカンで運転しているのを

知ってしまい、バレていたので帰りはほんとうに不安になった。僕も、「電車の

ほうが絶対に(家に着くのは)早い」と承認するように言った。

カーナビは方向性が役に立つだけで、ちょっと電波が乱れても再計算しはじめる

から始末に負えない。

で、僕も方向がわかっていれば、右往左往も多少のジグザグだと思っているので

心配せずに運転している。むしろ、野崎灯台のようにどこかの最南端というほうが

わかりやすいだろう、と勝手にかまえてもいる。

そんなおっとりした、久しぶりに心も足も伸ばしてみた旅行だった。

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