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フランスユリ知らず  予告? [小説風]

予告というのが、ふざけた言い方だろう。 予告するほどの 

作品を考えているのではないし、骨だけで、血も肉もこれから 

という代物に、予告もないもんだ、というのが自虐的な意見だ。  

少なくも、自粛的な意見だ(笑)。だから、当たり障りのないこと 

を書こう。  

フランスというのはゴッホなどで浮世絵が偶然、包み紙として 

輸入されて、印象派に大きな影響を与えたことで知られているが、 

僕のイメージでは「政治」なのだ。そのイメージの元も知っている。 

「Z」というイブ・モンタン主演の政治映画だ。政治家「Z」が架空の 

軍事政権下の国で暗殺される。それは軍事政権下の王政の 

ギリシヤで起こった事件を題材に書かれた小説があり、それを 

映画化したものだ。1969年制作だが、観たのはもっと後だろうが、 

僕も若い頃で、強く印象に残っている。なにか政治についてその

イメージを集約するものを得る印象があったのだろう。  

政治の根本とされる憲法は、東アジアで最初の憲法になる 

大日本帝国憲法が、ベルギー憲法、プロシア憲法(ドイツ)を 

基礎に制定されたので、こちらを発想するはずだが、やはり、 

映画の媒体は強い。文字やニュースではそれは伝わらない。 


この「フランスユリ知らず」は題名が浮かんで、それから内容を 

考えることになった。その時、ギュンター・グラス(作家)の政治 

活動を知って、興味を持ったのでその手紙からストーリーを 

壊しながら、壊れたものが重なってつくられるという手法を考えた。 

そして、そもそもこの題名が浮かんだのは、なぜだろう?と考えた。 

ギュンター・グラスはドイツ人で「ブリキの太鼓」の小説で有名に 

なった作家で、フランス人ではない。目に留まったのは「フランス」 

の次の「ユリ知らず」だ。これは僕なら、「ユリシラズ」に似た 

フレーズを無意識に浮かべただろうから、それは「ユリシーズ」という 

小説からだろう。 

著者はアイルランド人のジェイムス・ジョイスで、これもフランス人 

ではない。そこで思い出したのが、「谷間の百合」だった。 

著者はバルザックで、唯一読んだ小説が「谷間の百合」だった。 

バルザックはフランス人だから、「ユリ」のイメージからフランスユリが、 

ユリ知らずとは「ユリシーズ」からの連想だったろう。 これらの混合 

で「フランスユリ知らず」の題名は発想されたと、思う。 



残念なのは、予告するほど、楽しくもおかしくもない、感動ものでも 

ないストーリーに仕上がるだろう、と予想していることだ。  

それとも、このまま予告だけで、幻のまま終わらせてしまおうか、 

とも思うが、まだ期待されないうちだから、それでもいいのだろう。 

バルザックとジョイスについては、作品よりも彼らの人生のほうが 

面白いかもしれない。波乱万丈型はバルザックで、事業家と破産と 

ベストセラー作家をくり返した人だ。 

一方、ジョイスは22歳までダブリンで過ごしてから、放浪癖がある人で 

亡命したり、ナチスから逃れてスイスへ行ったりと、娘も統合失調症で 

その治療で苦労したりした人だ。 作品世界は、常にダブリンから離れ 

なかった。 僕はこの人の放浪癖が羨ましい。  

「ユリシーズ」、まだ読んでいない ・・・・。 


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