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回復の散歩 [散歩]

昼まで寝て、起きると回復したのがわかった。病み上がりの 

特徴のスッキリさがあった。微熱も下がっていた。夕方には 

しなかった散歩に出た。心の気が外に向くと、僕は自然に 

外出する。散歩は特に、虫や季節や花に出会う好奇心の 

期待が蠢(うごめ)くようだ。微熱があると、自分の不調に 

気が行ってしまって、外への興味がなくなっている。考えも 

少し、ボーッとしてしまう。 

亀島公園の例の小さな池で、今の状態を確かめる。 

いつもしているのだが、初めに池の前に立つと、水生 

生物たちは人の気を感じて、素早く隠れてしまう。 

池に愛情を注いでやり、しばらく待つ。なにも出て来なければ 

僕の体調は心と共に、まだ不調だということだ。 

いつ頃から、こういう自然を相手に自分の調子を尋ねる 

ことをしているか、思えば記憶を辿れないくらい、昔からの 

ような気がする。一番のイベントは亀を呼んだことで、これ 

は皇居の池で古い大亀が出てきたことが、ひとつのエポック 

だった。 

水面の波形を見るが、暗がりと池の底も石も黒いので、それ 

が何か見えない。が、他の処でも小さいのが泳ぎ始めた。 

まだ5cmくらいで、この春に生まれたのだろう。2匹が最初。 

次に反対側で1,2匹。池には飛び石があり、子供が置いて 

いったペットボトルの半分に切った入れ物と、ザリガニ用の 

釣りのタコ糸が捨てられていた。昨日か今日に、置いて行った 

ものだろう。大人のフナはどうしただろう、もう捕獲されて 

しまったのかもしれない。姿を見せなかった。  

公園を出て、目久尻川を覗く。 

銀影が光る、アユだ。変わらずに棲みついているらしい。  

20cm近くの立派な大人だ。ここから4,5km離れた 

相模川では6月だったか、禁漁が解放される。その前に 

アユを1万匹くらい放流する。養殖だから釣り人を知らず、 

その頃はよく釣れる。アユは警戒心が強いので、また 

縄張り意識が強いので、オトリ鮎に針をしかけて、側を 

泳がせると向こうから敵愾心でぶつかってくる。 

まんまと針にかかってしまう仕掛けだ。 

この目久尻川のアユはその相模川で釣られたアユが 

10年以前くらいに捨てられ、放されたものだろう。 

環境が変わってしまったせいで、そういう一匹で暮らす 

アユの習性はなくしたようで、群れで行動するように 

なった。 

つまり、ここでも自然については教科書は役に立たない。 

それなりに変化してしまうことを示す。 人間はアフリカ 

に発祥したとなっているが、アユが人間の養殖という 

進化への介入でどうなるか、といった発展途上の 

現象は毎日の身近な出来事を観察していると、 

(どんなプランも必要ない)思ったよりも例外の物事が 

見つかるものだ。

ただ、群れていても近くに来るものを避けるようにか、 

体をひねってそれが光を放つので、攻撃の習性は 

消えたわけではない。 そのうちに蟹を見つけた。 

死んだ蟹は昨晩、夢で見たが、ここのはちゃんと 

生きているし、テトラについたコケを口に運んでいる。 

その両はさみがデカい。うっすらと石のテトラに緑の 

水生コケが生えているので、それを主に食べて 

いるのだろう。自身の甲羅にも、はさみにもコケが 

生えているから、まあまあ大きいくらいだが、年季は 

入っているのだろう。  

北部公園を目の前にしていたが、マスクをして 

こなかったので、神経質な人は嫌がるだろうから、 

そこから引き上げた。うっすら汗をかいた。 



もう少ししたら、体力も回復して説明が難しいことにも 

挑戦するだろう。
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