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スサノオ(あらすじ小説) [小説風]

主人公の名前を仮にスサノオとしよう。 スサノオの

所属する国家管理局は自治体のお目付け役のような

役目で創立された。もう30年になる。 

長官はスサノオの義理の姉で、スサノオはその側近

の補佐官だったが、好かれていないので、なにかと

派遣で飛ばされている。

今回もテロ事件で爆破予告があり、てこずっている

地方都市の役所に回された。

「君か。FB I でプロファイリングもやってきたという

女子は」 と、スサノオ。

「管理官。女子ではなく、私は神崎です。ちゃんと

名前でお呼びください」

「神崎。で、爆弾はどこよ?」

「まだ特定に至っていません」

「いつわかるの」

「予告日の前にはなんとか」

「なんとか?なんとかじゃないよ。あした1日やるから

わからなければ、君は降りてもらう」

「えっ、でも他にわかる人は・・」

「それはこっちで探すからいいよ。時間が惜しいだろ。

もどって仕事して、はい。おい、君。総務と警務の

人事書類全部、持ってきて」

「はい?全部ですか?」

「聞こえたろ、全部。区分けの仕方は、それから教える

から」  

また、続けて、

「お茶くみの女子に話聞くから、一人ずつ読んで」

執務室の1号室で、面接みたいに始まった。

「君は、名前は ・・・。  ・・あ、そう」

続けて、「君の思うできる上司って誰かな。今の職場

だよ。それと仕事してもたいしたことのないの、いる

でしょ?」

三人に続けて、同じことを聞いた。


「三久住!ああ、君か。僕はこれから用事で出るから、

君、替わりに2,3時間僕の代行、やっていて。それから

泥戸君。君は僕についてきて。緊急用に、ここの連絡

携帯持っていくから用意して。じゃ」 

スサノオは泥戸を連れて隣駅へ行き、そこから近くの

地下の古いビリヤード場で球を突きはじめた。

「あのー、」と泥戸。「私もおつきあいするんですか?」

「できるだろ?女の子が言ってたぜ」

「はぁ、まあ」

「なんか、ウィスキーでも頼んで。君はお茶でいいよ」


緊急の携帯が鳴って、テロリストから二度目の予告

が届いた、と知らせが入った。

「あ、そう。仕方ない、戻るわ」


「神崎、呼べ」

「はい」

神崎が走って部屋に入ってきた。

「この予告だと、場所はわかるんじゃないの?」

「はい、ただちに教会を包囲しました。電源を切って

今は中にいるテロ犯を説得中です」

「ふーん、どのくらい?」

「は?」

「時間だよ、説得してからどれくらい経ってるの?」

「1時間は経過しています」

「中、真っ暗だよね。彼らの灯りはミニライトくらいか。

僕が行くから、警察の担当者にそう伝えて」

「管理官がですか?」

「そうだね」

「彼らは専門家ですし、管理官が入ると、お邪魔に

なりませんか?」と、神崎女史は皮肉を込めて言った。

「それは君が心配することじゃないよ。指揮は僕が

取るから」


「あんたが署長?挨拶はいいよ。暗視鏡のメガネ

みたいなやつあるでしょ?あれと催光弾用意して。

催涙ガス弾とマスクは用意してあるんでしょ?」

「署からただちに取り寄せます」

「うん、早くして」

準備ができると、スサノオは軍の訓練兵のような

いで立ちの特殊装備の警察隊を連れて、正面から

入って行った。教会の重厚なドアが叩き壊された。

中から銃で撃ってくる。

催光弾を投げ入れると、教会内が輝くばかりの

光がさく裂した。ガスマスクをつけた突入隊が侵入

すると、催涙弾を奥へころがした。一気に制圧する

こと3分だった。

「よく訓練されてるね。でも、変だな。楽すぎる」

そこへ、走って教会内から隊の一員が出てきた。

「管理官、署長、すぐにここから離れて下さい。

爆弾がすでにセットされ、カウントが始まっています。

あと23分です。付近のものをすべて非難させます」

「あ、そう。じゃ、僕も行こうかな」

「管理官、行こうって、そっちは危ないです」と、署長。

「爆弾処理班は中にいるよね、じゃ心配ないよ。

僕も見てくるから、署長は住民の避難を優先させて」

「あ、管理官!」


「はい、ご苦労さん。どうかな?ボンバーは」

「は?」

「この事件を指揮している担当の管理官だよ。どんな

具合?」

「はい、初めて見る装置で、20分で解除は無理かも

しれません」

「そう、どれくらい吹き飛ぶの?」

「この爆薬ですと、周囲の半径500mには及ぶかと」

「そりゃ、大変だ。逃げても間に合わない。じゃ、作業

続けて」

スサノオは「逃げ道も確保した方がいいな」とブツブツ

言いながら、現場から一番近いステンドグラスの窓に

近寄って行った。壁にあった椅子を持ち上げるや、

それをステンドグラスに投げつけて、叩き割ってしまった。

「カウント5秒前になったら、あそこの窓に突入、いいね?」

「はい、わかりました」

5秒前まで爆弾処理をしろ、ということだ。隊員は恐れ

いってしまったが、それまで一緒にいるらしい管理官を

前にしては何も言えなかった。

「そうだ、爆発の威力を妨害する工作は習わなかった

かな?できたら、それで一時しのぎをしてよ」

「はっ、最大限努めます!」

(そりゃ、そうだ。できなきゃ死ぬもんね) 



タイマーは止められず、爆弾側に防御を施したが、

どこまで有効かはわからない。7秒前で作業を終え、

二人は近くの割った窓から飛び出した。すぐに壁際に

身を寄せると、2秒で爆発の大音響があった。

被害は爆発防御が効いて、教会を崩すだけで終わった。

二人もすり傷の軽傷ですんだ。  


スサノオは爆弾処理の隊員と無事を祝って、雑談を

してから、役所に戻ってきた。

「神崎、おお~い」

「なんですか」

「なんですかじゃない。すぐに次の爆破場所を探せ」

「はあ?予告はありませんよ」

「目的がない。予告にも要求がない。そんなテロが

あるもんか。これは前哨戦だ、こちらの出方を見て

本番をするつもりだ。予告しないほうが確率は高い」

「そんな。予備の爆発だと言うんですか?ちゃんと

爆発させて、それなりに目的は果たしたんじゃない

ですか?」

「逮捕したのは、たったの2名だ。教会には2名しか

いなかった。実行犯だけだ。他にも実行犯がいる。

テロリストは愉快犯じゃない」

「闇雲になにを探せと言うんですか?」

「お前はバカか?逮捕した実行犯から詳細を聞け、

と言ってるんだ。いいか。お前が正しくても、間違った

場合は死人が出る。俺が間違っても、よかった

よかった、なにもなくてで、死人は出ない。それ

だけでいいんだ。時間がない。早く取り掛かれ」

「ハイ」

「神崎、声が小さいよ」

「ハイッ」

「おし」



そこへ次の事件が起こった。信用金庫への強盗

で、通報から警察がかけつけ、周囲をかため、人質

の解放及び投降を説得しているという。

スサノオは現地まで行った。7階建ての雑居ビルだった。

「突入するの?」と、担当の所轄署長に尋ねた。

「人質が5人いるので、まだどこにいるかもわからんので

時間はかかると思います」 

「あ、そう。彼らはどこにいるのかわかってるの?」

「それは3階に陣取ったようです。4階より上は休み

で人はいませんでした。2階と1階は見張りがいます」 

「そうか。あとで電話するから、指示に従って。奴ら

が行動を起こしたり、要求があったら、連絡して。

一度、役所に戻るから、じゃ」


「信用金庫のビルの周囲の地図を持ってきてくれ。

付近に老人ホームとかの施設、があるか。ガス

スタンドはなかったな。あと、保育園とか学校とか、

ないよ、を探して」

職員が地図を持ってきて、机をつなげてその上に

広げて、バタバタする。

スサノオは電話していた。

「ヘリコプターだよ。重量何トンを吊り下げられる

のか、だよ。それと、そういう鉄球を至急見つけて

借り受けてほしい。それと7階建てのビルの図面

送るから、3階の天井までぶち抜くには、何mの

高さが必要か計算しておいて。ああ、姉貴の

長官のほうは許可をもらってある。書面じゃ

間に合わないよ、人質が殺されちまう。さっき

一人殺されたと報告が入った。では頼むよ、

幕僚長!」


しばらくすると、国務管理長官の姉から直接電話。

「あんた、なにやってんのよ。鉄球なんかどうする

つもりよ。幕僚から連絡あったわよ」

「ああ、姉さんか。いいから、許可して。緊急事態

だよ。人質事件で、すでに一人犠牲を出してる。猶予

がないんだ。頼むよ」

「何言ってるの。責任取るのは、こっちよ。あなたの

無謀につきあっていたら、首がいくつあっても足り

ないわ。ダメよ。軍のヘリを出せ、なんて。お断りよ」

「あ、そう。それもいいけど、姉さんね、僕、テロで

体張って爆発範囲を絞って、死人なしよ。聞いただろ。

今日のニュースで僕、英雄よ。その英雄が凶悪事件

の解決のために協力をお願いして、姉貴が断った

とバラしたら、長官としてはそのほうがまずいんじゃ

ない?これ以上死人が出たら、もっとまずいし、うまく

行かなかったら、僕が勝手にやったことにすればいい

じゃない」

「あんた、私を脅せると思ってるの。あんたの責任は

私にかぶってくるのよ」

「いやいや、そう怒らず、責任転嫁はできるよ。僕が

姉貴にはヘリを貸し出すだけだ、と嘘を言ったと主張

すればいいのさ。あとで証拠用のテープでも作らせて

送るから、幕僚長にそう言って許可して」

「じゃ、この通話は消去するわ。がんばって、足でも

折りなさい!」



嘘は嘘ではなかった。幕僚長からの電話を待ち、次に

伝えたのは燃える油とそれを消火する消火剤だった。

「作戦だけど、まず、屋上に鉄球を落としますよね。

3階の天井をぶち抜いたら、そこへ油を注いでほしい。

注いだら、発煙筒でも投げ入れて火事にしてください。

ベトナム戦争で米軍が使った、あのJ・F・ケネディが許可

した酸素を燃やしてしまう枯葉剤もあったら、適当にぶち

込んでもいいな。あとはこちらでころ合いで連絡するんで

消火剤で火を消してください」

「それも長官は・・・」

「ああ、もちろん。全部話したら、笑ってましたよ。姉貴は

あれで太っ腹なところがあるので。ガンガンやって建物

から犯人どもを追い出してください。よろしく」

次に、現場の所轄署長に、「消防車を手配したので、

もう突入はしないで。3階に火事を起こすので、出てきた

人質の保護と犯人逮捕を消火の前に行うようにして、いい

ですね。これから行きますから、またそこで」


作戦はほぼうまくいった。枯葉剤はなかったし、あっても

使いもしなかっただろうが、犯人側で死者1名だけで、

人質は2階の倉庫部屋に押し込められていて、大きな

ケガもなく、事前に殺害された1名を除いて全員無事

だった。火の回りは速いので、結局、ビルは全焼して

しまった。保険が下りるだろう。

その晩は職員は事後処理の書類で忙しかったが、

ビールを一杯だけ乾杯してスサノオは帰った。

明け方だった、地震があったが、酒が効いていた

のか、またすぐ寝てしまった。どのくらいも寝なかった

だろう、すぐに電話で起こされた。起きて胸のポケット

から携帯を取り出すと、役所からだった。

「おはようございます。朝早くから、大変失礼いたします。

管理官、大変です。明け方に議員会館が爆破されました。

それにともなっての脅迫がテロリストから届いています。

こちらでご覧になってください」

スサノオは言葉を飲み込んだ、チクショー、やりやがったな、

被害を聞きに行くのに、出所するのは嫌だな。

・・・・・・・・・・・。

「あ、三久住呼んで。管理官だよ、おれ。3時間くらい

俺の代行やらせた三久住。いい?わかった?今、

いない?そう。じゃ、代行に神崎の代わりだけでなく、全部

まかせるから、と管理官が言ってたと。そう、ボスも呼び戻し

ておくから、おれは管理局に帰ったと伝えて」



3日して、国家管理局長官、姉から連絡があった。

「ちょっと、いいかげんにしてよ。あんた、仕事放りだして

なにやってんのよ!聴いてるの?今どこ?」

「ああ、うるせ。姉ちゃん、質問は一つずつに」

「あんた、クビよ」

「それは知ってるよ。神崎を思わず、殴ってしまった

からな。訴えられた?」

スサノオは神崎が次の爆破予定を探せという命令の

後に、美容院へ行ったという報告を聞いて、切れて

しまった。(あちゃ)と思った時は、もう遅かった。歯の

2,3本は折れたかもしれない。

「あのね、他人事みたいに言わないで。自分のミスも

あるから訴えはしないそうよ。内輪もめが外に出るから、

周りも止めたみたいね」

(ちがうよ。あいつは手を抜いたんだ。それを知ってるから、

周りに同調するフリをしたんだ。それをあいつがあの時

眼で言ったから、カッとなって・・・。肝腎の処で手を抜く

奴は許さない)

「事件はテレビで観てたよ。犠牲者が多過ぎた」

沈黙・・・・。

「ふーん、多少は気落ちしたんだ。それじゃ、転勤先

決まったからいい?メモして」

「ああ。はい」



スサノオは転職先を思い浮かべた。左遷は左遷だが、

近くに海がある。こりゃ毎日、釣りができるな。と、

釣り道具店で、竿を物色することを想像して、もう

ニヤニヤしていた。自分が事件で片腕を失っても

こんな調子なのだろう、この男は。





**
個人的な休日だった。なにもしないほうがいいのだが、

楽しければなにをしてもいい。

朝の5時に目が覚めて、ぼんやりした頭で、怒りで切れて

女を叩く夢?半夢?を見ていたか、考えていた。

それから尾ひれが前後につながるように、小説を考えて

いた。一応、面白そうだから書いてしまおう、と。

早朝から10時までに書き切った。朝の食パンは7時過ぎ

だった。ともかく、遅くとも午前中に書いてしまわなければ、

途中で興味をなくして退屈して、書きやめることは大いに

あり得たので、なんとしてもこの弱くなる感興を継続しなけ

ればならなかった。なんとか、守(も)った。

あとでがっかりしてもいいのだ。自分では面白いものは

かなりマニアックなものなので、普通に書くのは頭が

はっきりしていてはいけない。思考のかたまりを書くには

明晰でないとスッキリ(区分けで)書けないが・・・。

これはこれでいい。小説は半夢でいい。

それと、ドラマはアメリカの精神背景が入っている。日本

ではピンと来ない部分もある。
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