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春の風に吹かれる [春]

風の強さ、樹木の斜めに倒れんばかりに揺れるを、見る。

春らしさという、風が目立つのが季節を想わせるのは、面白い。

こちらは窓を少し開けておいたのを忘れて寝て、起きてみると、喉が痛い。

冬ならすきま風はすぐに冷たくて、気づいたものを。暖かさによる風邪を

ひいてしまった。これも春らしい。

駐車場の隣の市民農園が空き地になって、半年は過ぎたものと感じるが、まだ

トランクルームが立ち並んだ他は、野地のまま。駐車場を横切ると、まだ下りた

ばかりのムクドリが早くから感づいて、一斉に飛び立つ。空き地には春の花が

ところどころで咲いている。

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ヤグルマソウ、または矢車菊。

自生ではなく、農園をしていた人が脇に植えたものか、その種が飛んだものだろう。

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近くにあるヤグルマソウの小さな群れ、二つあるそのもう一つ。花弁の欠けたもの、花軸

が折れたものもあり、風のせいでもないだろう。花の紫はただに色ではなく、目立たせる

ためか光を反射する微粒子があって、それが輝きになる。美しいと思うのは、それに

誘われているからだろう。

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こちらは雑草のホトケノザ。春の七草のホトケノザとは違うという。七草のほうは

コオニタビラコといって、黄色い花が咲く。茎が太くて、たしかにうまそうだ。やや

タンポポの葉に似るか。

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漢字の起源というものも、なにかの文献に依らなければならないのだから、ほんとうに

「心」の漢字が発生した、その記述文献は残っているのか、すでに廃棄・消失して

しまったのかと思うと、おおまかに100年単位で誤差を見なければいけないのか、

とも思う。


東風(こち)吹かば  匂いおこせよ 梅の花

あるじなしとて  春な 忘れそ  (菅原の道真)


万葉集の時代では、花は梅だった。桜は詠まれたが、数は少なかった。

桜の花がよく読まれるようになったのは、新古今和歌集あたりからとか。

それでもまだ、ソメイヨシノは生れていない。しだれ桜は見事だったので、

京都でもそういう桜が詠まれた。世界に輸出されて有名になったソメイヨシノ

は江戸時代に植木職人の人だかが品種改良してつくったとか。花が長持ちする

のが受けたらしい。ところが、いっぺんに咲くのはいいが、いっぺんに散る

特徴があり、ここから桜の花の”はかなさ”が生まれた。僕らが習った古典に

出てくる桜は、僕らのあまり知らない桜かもしれない。

桜のイメージは伝統のような気がするが、近年150~160年くらいのこと

で意外に新しい。コブクロや他の歌手が桜を作曲して歌っているが、まさしく

今の時代背景での過去の日本とは違う「桜」なのだ。言葉も変わるが、それより

も自然趣味は変りやすい、ということだろうか。

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